阿蘇の外輪山、その内側でも外側でもない場所に、ぽつりと丘がある。
草原の中に、いくつもの巨石が点在している。置かれている、というより、そこに“ある”というほうが近い。
規則性のようなものも感じるし、ただの偶然のようにも見える。人の手が関わっているのか、自然の中でこうなったのか、その境界が曖昧だ。
風が強い日が多い。音というより、空気そのものが流れている感覚がある。
立っていると、視界がひらけていく。遠くの山並みと、足元の草、そのあいだにある石。それぞれが独立しているのに、どこかでつながっている。
ここでは、風景を見るというより、風景の中に立つ感覚に近い。
ドローンで上がると、その配置の意味が少しだけ見えてくる。ただ、それでもすべてはわからない。
わからないまま残されていること自体が、この場所の魅力なのかもしれない。
熊本県南小国町にある押戸石の丘は、草原の中に巨石が点在する不思議な景観を持つ場所。
阿蘇の地形と風の流れを感じながら、自然と人の境界を考えさせられる。