宮崎の南へ車を走らせていくと、やがて景色はゆっくりと開けていく。
丘の上まで登ると、そこには広い草原が広がっていた。
ここは宮崎県串間市にある都井岬。
日向灘に突き出した半島の先端に、野生の馬が暮らす草原が続いている。
この場所の主役は、風と草と馬だ。
丘の斜面には背の低い草が広がり、その間をゆっくりと歩く馬の姿がある。
人に飼われているわけではなく、自然の中で暮らしている御崎馬だ。
草を食む音だけが聞こえるような静かな時間。
ときおり風が吹き抜け、草原の色が波のように揺れる。
空から眺めると、その風景はさらに静かに見えてくる。
草原の中に、点のように馬の姿が動いている。
丘の形に沿って、草の模様がゆっくりと続いていく。
その中で馬たちは、まるで昔からそこにいたかのように自然に立っている。
観光地というより、風景そのものが暮らしている場所。
人の気配は少なく、時間の流れもゆっくりしている。
風の中で草が揺れ、馬が歩く。
ただそれだけの景色なのに、なぜか長く見ていられる。