鹿児島の南へ車を走らせていくと、海沿いの道の先に広い砂浜が現れる。
ゴールドビーチ大浜海水浴場。
長く続く砂浜と、静かな海が広がっている。
けれど、この場所で一番印象に残ったのは海ではなかった。
防波堤に立つ、一本の木だった。
砂浜の端、海へ突き出す防波堤。
空から見ると、その存在がよくわかる。
広い海岸線の中で、その木だけがぽつりと立っている。
まるで風景の目印のようにも見える。
海は静かで、砂浜は広い。
けれど視線は、自然とその木に向かってしまう。
強い風に吹かれながらも、そこに立ち続けている。
派手な景色ではない。
けれど、その一本の木が、この場所の記憶をつくっているようだった。