まっすぐ伸びた海辺の道を、風に押されるように走る。
視界いっぱいに広がる海と、風の音。
そして、その海のすぐ横には、コンクリートの防波堤が静かに連なっている。
道の向こうには風車がいくつも回っていた。
その姿は、近未来的で美しい。
けれどそれは、風を受けて電気をつくる“装置”でもある。
風力発電は、二酸化炭素を出さない。
再生可能エネルギーとして、これからの希望を担っている。
けれど同時に、設置された場所の風景は変わり、
鳥の飛ぶ道すら変わってしまうこともあるという。
防波堤も同じだ。
海と人の暮らしの“境界”にそっと横たわり、
高潮や台風の被害から、町を守っている。
その一方で、自然の海岸線は少しずつ姿を消し、
砂は流れ、遠浅の浜辺はコンクリートに変わっていく。
この道には、人工的なものと自然とが、隣り合うように並んでいる。
風景としての調和ではなく、利便や防災やエネルギーのために置かれたものたち。
でも、それを冷たいものとは感じなかった。
人が自然を“制御する”のではなく、
なんとか“折り合いをつけようとしている”ように見えたからかもしれない。