本州には東西南北、それぞれに「端」がある。
その中で、山口県下関市にある毘沙ノ鼻は、本州最西端の地として知られている。
最西端という言葉には特別な響きがある。けれど、この場所に立つと感じるのは達成感というよりも、海へとひらかれた風景の広がりだ。
上空から眺めると、陸地はゆるやかに海へと続き、その先には響灘が広がっている。人はここを本州の終わりと呼ぶが、自然の中に境界線は見当たらない。
岬を形づくる地形、海岸線を削る波、そして絶えず吹き抜ける風。それらが積み重なり、この風景をつくり出している。
地図の上では端に位置する場所も、空から見れば海と陸が連続する風景の一部だ。
本州の終わり。その先に広がる海は、境界の先にも風景が続いていることを静かに教えてくれる。