川は、もともと、そこにあった。
削りながら、曲がりながら、時間をかけてつくられてきた流れ。その上に、一本の線がかけられている。
轟橋は、日本最古の石橋のひとつとされている。けれど、その時間は、主張することなく、風景の中に溶け込んでいる。
上から見ると、その関係性がよくわかる。川の曲線と、橋の直線。異なる性質のものが、ひとつの画面の中で交わっている。
水は流れ続ける。橋は動かない。その対比が、この場所の輪郭をつくっている。
人がつくったものと、自然がつくったもの。そのどちらかではなく、そのあいだにある風景。
長い時間を経てもなお、この線はここにある。流れの上に、静かに重なり続けている。